夜神月の「ポテチ」は何話?デスノート出典解説

『デスノート』で夜神月がポテチを食べるあの場面は原作の何話かというと、漫画では第17話「芥」(コミックス第3巻『激走』収録)、アニメ版では第8話「目線」(2006年11月22日放送)です。監視カメラだらけの自室で、ポテトチップスの袋に隠した小型テレビとデスノートの紙片を使う場面にあたります。

項目 内容
原作(漫画) 第17話「芥」
収録単行本 ジャンプコミックス第3巻『激走』(2004年9月3日発売)
アニメ 第8話「目線」(2006年11月22日放送・日本テレビ系)
アニメ版の英題 Glare
行為者 夜神月(監視カメラ・盗聴器が設置された自室で)
場面の内容 ポテトチップスの袋に仕込んだ小型テレビでニュースを確認し、同じ袋の中のデスノートの紙片に犯罪者の名前を書く
原作・作画/アニメ制作 大場つぐみ・小畑健(集英社)/マッドハウス

広まっている「決め台詞」と、確認できた出典

この場面は、海外では次の一文とセットで引用されることがほとんどです。

I’ll take a potato chip… AND EAT IT!

ただし、これはアニメの英語吹替版の言い回しです。ミームの記録サイトである Know Your Meme も、出典を英語版第8話「Glare」と記録しています。日本語版の同じ場面に、この形と一対一で対応する“決め台詞”があるかどうかは、筆者が確認できた範囲では一次資料で裏が取れませんでした。そのため本記事では、日本語のモノローグを引用の形では載せません。文言を確認できていない台詞をカギ括弧に入れて出すことは、この場面に対して不誠実だと考えるからです。出典から確認できたのは、あくまで「英語吹替版の言い回しが世界的に広まった」という事実のほうです。

この一場面が生まれた前後の文脈

【ネタバレ注意】ここから先は『デスノート』第1部序盤、いわゆる監視カメラ編の展開に触れます。

キラの正体を夜神月だと疑ったLは、夜神家そのものに監視カメラと盗聴器を仕掛けます。月の部屋に設置されたカメラは64台と紹介されることが多く、勉強机に向かう手元まで映る状態でした。普通に考えれば、この状況でデスノートに名前を書くことはできません。書けば、その瞬間にキラだと確定してしまいます。

それでも月は書きます。袋の口が死角に入る角度で座り、袋の中に仕込んだ小型テレビでニュースを確認し、同じ袋の中に隠したデスノートの紙片へ名前を書き、何食わぬ顔でポテトチップスをつまむ。カメラ越しに見えるのは「受験勉強の合間に間食している高校生」だけです。この“見え方”を作ること自体が、Lに潔白を示すための工作でした。

集英社の公式サイトに掲載されているコミックス第3巻の紹介文も、この巻の中心をこう書いています。

見つめる者、見つめられる者。監視カメラを通してのLと月の静かなる戦いが繰り広げられる。その中で、月は自分の身の潔白を証明する策に成功するが、Lの月への疑いはますます増し、Lはある行動に出る!!(集英社コミック公式 S-MANGA『DEATH NOTE』3より)

そして、多くの読者がここで引っかかるのが「未開封に見えるポテチの袋に、いつテレビを入れたのか」という疑問です。結論を先に書くと、仕込みの手順そのものは作中で描かれていません。描かれないまま、完成した袋だけが読者の前に置かれます。引っかかりが生まれるのは当然だと思います。

ただ、この場面に至るまでの月は、部屋のドアに紙を挟んで留守中の侵入を検知し、デスノートを隠した引き出しには、仕掛けを知らずに無理やり開ければ発火してノートごと燃え尽きる細工まで施している人物として描かれています。監視されることを織り込んで準備を積み上げてきた人物の到達点として、あの袋は置かれている。手順が省略されているのは、そこがこの回の主眼ではないからでしょう。

なぜこの場面だけが独り歩きしたのか

語り継がれている理由は、緊張と日常の落差にあります。世界中の犯罪者を裁こうとしている人物の勝負手が、コンビニで買えるスナック菓子の袋だった。この一点で、場面は誰にでも覚えられる形に切り出されました。

広まり方については記録が残っています。Know Your Meme によれば、英語吹替版のこの場面を素材にした短い編集動画が2007年後半に相次いで投稿され、同年12月に投稿された5秒ほどのクリップは再生数が300万回を超えました。日本語圏でも、いまは「ポテチ」の一語でこの場面が通じます。ひとつの場面がここまで単語化される例は、そう多くありません。

一方で、切り出された数秒だけを見れば「さすがに無理がある」という感想になりやすいのも確かです。実際、その反応も含めてこの場面は愛されてきました。ただ、前後を通して読むと、これは思いつきの奇策ではなく、監視を前提に積み上げた準備の上に置かれた一手として描かれています。笑いとともに引用されている場面ですが、元のページには相応の緊張が詰まっています。

まとめ|この場面を読むなら第3巻

「夜神月のポテチは何話か」の答えをあらためて整理すると、原作漫画では第17話「芥」、アニメ版では第8話「目線」。原作で読むなら、コミックス第3巻『激走』の冒頭が該当します。なお、アニメの第17話は「執行」という別の回なので、「17話」という数字だけを頼りに探すと行き違いになります。原作の第17話は少年ジャンプ+の作品ページでも話数単位で確認できます。袋の中身が明かされる瞬間の呼吸は、やはり通しで読むのが一番です。

出典・参考情報

  • 大場つぐみ・小畑健『DEATH NOTE』第17話「芥」/コミックス第3巻『激走』(集英社、2004年9月3日発売)— 集英社コミック公式少年ジャンプ+
  • アニメ『DEATH NOTE』第8話「目線」(2006年11月22日放送・日本テレビ系、制作マッドハウス)
  • 英語吹替版の台詞と拡散の経緯 — Know Your Meme

確認日: 2026年8月1日。日本語版のモノローグは文言を確認できていないため、本記事では引用していません。


その一言の、生まれた場所まで——といつも書いているのに、今回の生まれた場所はポテチの袋の中でした。出典を確かめるつもりで開いた第3巻を、気づけば前後30ページ読み返していて、深夜。……取り乱しました。出典に戻ります。

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