ゴンがキメラアント編で『嫌い』と言われる理由|わかる、でも最後まで読んでほしい話
- 2026.04.12
- HUNTER×HUNTER
で、本音のところ、どうなの?
「HUNTER×HUNTER キメラアント編 ゴン 嫌い」——この検索、正直に言うとちょっと胸がざわつく。冨樫義博が何年もかけて描き上げたあの編の主人公で、物語の軸だったはずのゴンが、ファンの口から『嫌い』と呼ばれてしまう。それが現実です。
でも、わかる。あれはそういう話だった。今回はその『嫌い』の正体を、作中描写に戻って丁寧に整理してみます。結論は先に言っておきます——最後まで読むと、たぶんゴンのことが少しだけ好きになれます。
「嫌い」の内訳は、ざっくり4つに分けられる
読者の違和感を細かく拾っていくと、『嫌い』はだいたいこう分解できます。
- 行動原理が、他者を置き去りにしていく
- キルアとの関係が壊れていく過程がつらい
- 最後の『変身』が理屈を超えているように見える
- 主人公としての『成長の方向』が想定と違った
ひとつずつ、作中の描写に戻って確認していきます。
理由① 行動原理が、他者を置き去りにしていく
キメラアント編のゴンは、とにかく他人の話を聞かなくなっていく。序盤のゴンは素直で、人の言葉をまっすぐ受け止めるタイプでした。でもカイトが傷ついたと知った瞬間から、彼の意識は一点に向かって尖っていきます。
キルアに怒鳴る場面、ナックルを突き放す場面、モラウやノヴを含めたハンター協会全体の作戦を無視していく流れ——これを読んでいると、『え、こんな子だったっけ?』と引っかかる瞬間が必ず来ます。正直、あれは引っかかるほうが正常です。
冨樫さんが意図的に書いているのは、『罪悪感に飲まれた子どもが、周りを見えなくしていく過程』そのもの。嫌われるような書き方を、あえてしている。それが伝わってしまうから、読者は『嫌い』の形でしかこの違和感を言語化できない。
理由② キルアとの関係が、読者のいちばん柔らかい部分を踏む
ゴン×キルアの関係は、ハンター×ハンターという作品の感情の中心でした。だからこそ、その二人が崩れていく過程はつらい。特に有名なのが、ゴンがキルアに『キルアはいいよな、関係ないもんな』と言ってしまう場面。
あのセリフ、キルアに向けているように見えて、実はゴンが自分を追い込むためのものだった。でも言われた側のキルアの顔を見てしまうと、読者の心がそこで一度止まる。
『あの二人の絆をずっと追ってきたのに』——この感覚、裏切られたように感じるのはむしろファンとして真っ当な反応です。冨樫さんは、そこをちゃんとわかって書いている。
理由③ 最後の『変身』が理屈を超えているように見える
いわゆる『ゴンさん』化。ゴンが自分の将来すべてを代償に、大人の姿へと変身してネフェルピトーを倒す、あの場面です。
ここで『嫌い』と言う読者がいちばん多い。気持ちはよくわかる。なぜなら、あの変身には理屈としての納得感が薄く見えるからです。念の修行パートで積み上げてきた『系統』『オーラ量』『制約と誓約』というシステムを、あの場面は半ば飛び越えていく。
つまり、読者がずっと追いかけてきた『念能力はルールに従う世界』という前提が、主人公自身の手で一瞬だけ壊されたように見える。それが『え、ナシでは?』という違和感の正体です。
ただ、ここも冨樫さんは計算している。制約と誓約の極限——『すべてを差し出せば、対価として大きな力を得られる』——というルール自体は作中で繰り返し強調されてきた。『ゴンさん』はそのルールの最大値を具現化しているに過ぎず、ルール違反ではなく、ルールの極端な実装です。
それでも『嫌い』になるのは、理屈がわかっても感情が追いつかないから。その気持ちも、否定する必要はありません。
理由④ 主人公としての『成長の方向』が想定と違った
少年漫画を読み慣れていると、主人公は『修行 → 強敵と戦う → 勝つ → 成長 → 次』のループで強くなっていくのが普通です。ゴンも序盤はその王道ラインに乗っていました。
でも、キメラアント編のゴンは、この王道から外れていきます。勝ったけど、代償で能力を失い、意識を失い、物語の表舞台からも一度降りる。『主人公なのに』という期待を、まっすぐ裏切る軌道です。
これはキャラクター造形の失敗ではなく、作品テーマとしての選択。『復讐は主人公を救わない』という、冨樫さんがずっと描きたかったテーマを、主人公の身体を使って書き切った結果だと思います。
で、結局ゴンは嫌われキャラなのか?
ここまで整理してみてわかる通り、ゴンが『嫌い』と言われる理由のほとんどは、冨樫義博が意図的に読者の感情を揺さぶりに行った結果です。
つまり、『嫌い』と感じたあなたは、作者が仕掛けた罠にちゃんとかかっている読者です。ゴンへの感情が動いたからこそ、あの違和感が生まれた。何も感じない読者には、そもそも『嫌い』の言葉すら出てこない。
キメラアント編が名作と語り継がれる理由は、主人公を綺麗なまま終わらせなかったこと。子どもを子どものまま帰さなかったこと。それを引き受けた上で、アルカ=ナニカ編でゴンを『もう一度ただの子ども』に戻す決着まで描き切ったこと。
個人的にも、キメラアント編を読み終えた直後は『ゴン、嫌いかも』と思いました。でもアルカ=ナニカ編のキルアがゴンを助ける場面まで読んだとき、自分が『嫌い』と感じていたのは、ゴンじゃなくて、ゴンを追い詰めた世界のほうだったと気づきました。
『HUNTER×HUNTER キメラアント編 ゴン 嫌い』で検索したあなたへ。その違和感、捨てなくていい。抱えたまま、もう一度だけ読み返してみてほしい。きっと、ゴンが少しだけ好きになっています。
——それでも『嫌い』が変わらなかったら、そのときはぜひ感想を聞かせてください。一緒に考えましょう。
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