「これ描いて死ね」タイトルの賛否、正直どう受け止める?

で、本音のところ、どうなの?——『これ描いて死ね』というタイトル、正直に言うと初めて見たときに「うわ、強すぎでは」と身構えた人、多いはずだ。ぶっちゃけ検索するのもちょっと勇気がいる。でも先に結論を言っておくと、この違和感には、作者本人も含めたちゃんとした理由がある。順番に本音で話していく。

そもそも『死ね』ってどういう意味なの?

結論から言うと、この「死ね」は他人に向けた言葉じゃない。作者・とよ田みのる先生が、自分自身を奮い立たせるために使っていた言葉だ。

連載前、先生は自分を励ます言葉を書きつけていたそうだ。だんだん熱が入って、最後に出てきたのが「これ描いて死ね」。自分にずっと言い聞かせてきた大事な言葉で、だからそのままタイトルにした、と語られている。

意味をほどくと「これを描き切って死ね」。つまり、一作に自分の全部を賭けろ、という創作者の覚悟なんだ。誰かを呪う言葉じゃなくて、自分の背中を押す言葉。ここを取り違えると、作品の印象がまるごとズレる。

実際に読むと、その覚悟がちゃんと物語に流れているのが分かる。離島・伊豆王島の女子高生、安海相が漫画に出会い、仲間と漫画研究会を立ち上げて本気で創作にぶつかっていく。あこがれの漫画家が実は学校の先生だった、という熱い出会いから話が転がり出す。

その全力の熱量に、「これ描いて死ね」というタイトルが後から効いてくる。呪詛じゃなくて応援歌。気持ちは分かる、最初は誰だってギョッとする。でも意味を知ると、むしろこれ以上ないタイトルだと感じる人が多いのも納得なんだ。

なぜ『タイトルが強すぎる』と言われるのか

ここが賛否の本丸だ。先に結論を言うと、批判の多くは「意味」じゃなく「言葉そのものの刺激」に向いている。中身を否定している人は、実はそんなに多くない。

理由は大きく3つ。

1. 字面を見るのが辛い

「死ね」という文字を目にするだけで消耗する、という読者の声が実際にある。意味が前向きだと分かっていても、視界に入るのがきつい人はいる。これは理屈じゃなく感じ方の問題で、正直に言うと否定はできない。

2. 検索が地雷になる

これは深刻だ。作者本人が、自作の感想を探そうと「これ死ね」で検索したら、作品と無関係な誹謗中傷ツイートが出てきて傷ついた、と明かしている。タイトルの強さが、作り手自身に牙を剥いた形だ。エゴサすらしづらいって、けっこう酷な話だと思う。

3. 人にすすめにくい

「この漫画いいよ、『これ描いて死ね』っていうんだけど」——ぶっちゃけ、この一言のハードルは地味に高い。職場や家族の前だと言いよどむ。名作なのに口コミが伝わりにくいという、構造的な弱点になっている。

そして何より大きいのが、とよ田先生自身が「タイトルが強すぎたと後悔している」と語っていることだ。作り手が迷いを正直に認めているんだから、「強すぎる」という違和感は、決して的外れな言いがかりじゃない。

じゃあ、改題すべきだったのか?

ぶっちゃけ、ここは意見が真っ二つに割れる。私の結論は後で言うとして、まずは事実を並べたい。

面白いのは、代案がファン側から生まれたことだ。読者がSNSで「これ描いてSHINE」——「死ね」に英語の「shine(輝け)」をかけた表記を提案した。とよ田先生自身もこれを気に入って、アニメ化するなら改題したいとまで口にしていたという。作者が乗り気だった、というのは大きい。

一方で、タイトルの強さを肯定する声も根強い。アニメ放送を記念して複数の漫画家が応援コメントを寄せたが、その中には「毒のあるものが排除されがちな今の時代に、『死ね』と書いて許されるのは、中身が本物だからだ」という趣旨の言葉もあった。強い言葉を背負えるだけの実力がある、という信頼の裏返しだ。

わかる、あれはね、どっちの気持ちも本物なんだ。「刺さる人を確実に刺す唯一無二のタイトル」と見るか、「間口を狭める諸刃の剣」と見るか。立場によって答えが変わる。だからこの賛否は、そう簡単には決着しない。むしろ、これだけ長く議論が続くこと自体が、作品が本気で愛されている何よりの証拠なんだと思う。

本音のところ

正直に言うと、私はこのタイトルのままでよかったと思っている。もちろん、辛いと感じる人の気持ちも、作者が後悔する気持ちも、どっちも分かる。それを踏まえたうえで、だ。

「これ描いて死ね」は、覚悟を持って一作に全部を賭ける、というこの物語のテーマそのものを一撃で言い当てている。丸くした瞬間に、たぶんこの尖りは死ぬ。安全な言葉に逃げなかったからこそ、マンガ大賞を獲るほど人の心を掴んだ、とも言えるんじゃないか。

とはいえ、これはあくまで安全圏にいる私だから言えることかもしれない。実際に言葉で傷ついた人に「意味を知れば大丈夫」なんて軽々しくは言えない。結局のところ、このタイトルをどう受け止めるかは、読んだ人自身の感じ方に委ねられている。正解はたぶん、ない。

それでも『これ描いて死ね』が刺さる理由

タイトルの賛否をここまで語ってきたけど、最後に一番言いたいのはこれだ。この作品は、タイトルの強さに一切負けていない。

漫画を描くってなんて楽しいんだろう、という純度の高い喜びが全ページから溢れている。創作に本気でぶつかる登場人物たちの姿は、読むだけでこっちの背中まで押してくる。「これ描いて死ね」——この言葉を、読み終わる頃には呪いじゃなく最高の賛辞として受け取っているはずだ。アニメから入る人が心底うらやましい。


辛口ぶって賛否を並べたけど、正直この作品は私が一番語りたい一本だ。タイトル論のついでに、次は「創作を続ける怖さ」をどう描いたかも掘りたくなってきた。止まらないやつだ、これは。

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