【ハンターハンター】ゴンさんが主人公なのに「嫌い」「うざい」と言われてしまう理由

少年漫画の主人公といえば、まっすぐで、仲間思いで、どんな困難にも立ち向かう太陽のような存在。俺たちの『HUNTER×HUNTER』の主人公、ゴン・フリークスも、最初はそうでした。
クジラ島から旅立ち、ハンター試験でキルアと出会い、ヨークシンでは幻影旅団に立ち向かう。彼の純粋さや、底知れない才能に、俺たちはワクワクさせられたはずです。
…でも、いつからでしょう。ゴンの言動に、どこか違和感を覚えるようになったのは。
気づけばネットでは「ゴン 嫌い」「ゴン うざい」なんて言葉が飛び交う始末。特に物語がキメラアント編に突入して以降、その声は爆発的に増えたように感じます。
今回は、なぜあれほど魅力的だった主人公が、一部では嫌われているのか。その理由を掘り下げていこうと思います。
すべての悲劇はここから始まった。あまりにも残酷な一言
ゴンの評価が決定的に地に落ちた瞬間。それはどこかと聞かれれば、ほぼ全てのファンが同じ場面を挙げるでしょう。
そう、キメラアント編、カイトを失い冷静さをなくしたゴンが、親友であるキルアに放った、あの言葉です。
「キルアはいいよね。冷静でいられて。関係ないからっ」
…思い出すだけで胸が痛みます。このセリフ、本当に、本当に罪深い。
考えてもみてください。キルアはゴンのために、実家であるゾルディック家と絶縁覚悟で飛び出してきました。グリードアイランドでは爆弾魔ゲンスルーとの戦いで、両腕が吹き飛ぶほどの大怪我を負いながらも、ゴンの勝利をサポートしました。
キメラアント編でも、常にゴンの無茶を心配し、命がけで隣に立ち続けてきた。そんな、誰よりもゴンのことを想い、誰よりも「関係ある」親友に対して、この仕打ちです。
感情的になっていたから、では済まされない。これは、キルアのこれまでの全てを否定する、あまりにも冷酷で、残酷な言葉でした。
実際、一部のファンは「この一言でゴンが無理になった」と語っています。
キメラアント編で覚醒したゴンの「ヤバさ」
あの衝撃発言は、いわばゴンの異常性が噴出した結果に過ぎません。キメラアント編を通じて、彼のヤバさは様々な形で露呈していました。特に決定的だった4つの問題行動を振り返ってみましょう。
1. 主人公、まさかの人質作戦「コムギを殺す」
ピトーとの交渉シーン。ゴンは治療中のコムギを人質に取り、「次ゴタゴタ言ったらそいつを殺す」と脅迫します。…え、これ、どっちが悪役でしたっけ?
コムギは敵とはいえ、戦闘能力のない、ただのか弱い民間人です。そんな彼女を盾にするなんて、少年漫画の主人公として絶対にあってはならない禁じ手じゃないですか。
この時のゴンの目は完全に据わっており、読者に「こいつ、本気でやるぞ」と思わせる狂気をまとっていました。正義もへったくれもない、ただ目的を達成するためなら手段を選ばない姿は、多くの読者に強烈な違和感を与えました。
2. お前が言うな「カイトへの異常な復讐心」
カイトへの復讐心も、正直ちょっと異常でした。もちろん、カイトはゴンにとって恩人です。でも、彼と過ごした時間は、8歳の頃のほんのわずかな期間だけ。
思い出してほしいのですが、かつてゴンは、幻影旅団への復讐に燃えるクラピカを止めようとしていましたよね。「復讐なんて虚しいだけだ」的なスタンスだったはず。
それがどうでしょう。いざ自分のこととなると、仲間を顧みず、全てを投げ打って復讐に走る。この見事なまでのダブルスタンダード。もはや「お前が言うな」大賞をあげたいレベルです。
3. 究極の自己破壊「もうこれで終わってもいい」
そして行き着いた先が、通称「ゴンさん」への強制成長です。
「もうこれで終わってもいい」。未来の才能全てを投げ捨てるという、あまりにも重い制約と誓約。その結果手に入れた力で、ピトーの頭部が砕け散るまで殴り続けるシーンは、爽快感など微塵もなく、ただただ痛々しいものでした。
これは成長物語ではありません。主人公の精神的な「破綻」を描いた、悪夢のようなシーンとして、多くのファンの心に刻み込まれています。
4. モラウへの「殺しちゃうとこだった」発言
キメラアント辺では、ゴンはモラウに対して「ごめんホントに殺しちゃうとこだった」と悪びれもせずに言い放っています。このシーンにヒヤッとした読者は少なくないはず。
実際あのシーン、キルアが止めていなければどうなっていたでしょうか?
仲間との絆を何より大切にする…そんな少年漫画の王道から、ゴンの姿は大きくかけ離れていました。
ゴンの正体は「サイコパス」なのか?ネットで囁かれる説の真相
これらの常軌を逸した行動から、ネットコミュニティではいつしか「ゴン=サイコパス説」が定着していきました。確かに、そう言われるのも無理はありません。
実は、作中にはその片鱗を示す伏線が張られていました。天空闘技場で出会ったゼパイルは、ゴンのことをこう評しています。
「善悪の区別なく純粋に相手に興味を持つ」「危うい」
まさに、キメラアント編のゴンそのもの。冨樫先生、答え合わせが早すぎます…。
ただ、専門的な見地から見ると、彼は真のサイコパスとは少し違うようです。一部のファンの間では、ゴンの精神的な危うさについて、「父親であるジンに捨てられた経験のせいで、見捨てられる恐怖や過剰にカイトを慕ってしまう愛着障害を抱えているのでは」という分析まで囁かれています。
つまり、失いたくないという強い想いが、カイトへの異常な執着や、自分を見捨てようとする(ように見えた)キルアへの攻撃性につながった、というわけです。同情はできませんが、行動原理としては理解できる…かもしれません。
全ては作者の掌の上。冨樫義博が仕掛けた「主人公の破壊」
ここで重要なのは、ゴンのこうしたキャラクターの変化が、決して作者の筆が滑った結果ではない、ということです。むしろ、極めて意図的に設計されたものだと考えられます。
冨樫先生自身、過去のインタビューで「最初はゴンが純粋な理想の息子のように描こうと思ったが、途中から『あれ、こいつヤバイ奴だ』と思った」と語っています。作者公認の「ヤバイ奴」だったわけです。
つまり、ジャンプ主人公らしい「純粋さ」というのも、とことん突き詰めれば、サイコパスともとれる「ヤバさ」に繋がってしまう。そんな主人公像だったのかもしれません。
そして忘れてはならない「キルア」という存在
ゴンへの批判を語る上で、絶対に外せない要素がもう一つあります。それは、相棒であるキルアの圧倒的な人気です。
人気投票では常にゴンを抑えて1位を獲得。クールな見た目、暗殺一家出身というダークな背景、そして何より、ゴンにだけ見せる献身的な優しさ。キルアに魅了されたファンは数知れません。
そんな「俺たちのキルア」が、身を粉にしてゴンのために尽くしている。その姿を見れば見るほど、それに応えず、あまつさえ踏みにじるゴンの行動が許せなくなるのは、ファン心理として当然のことです。
特に「関係ないから」発言は、キルアファンの怒りの沸点に到達するには十分すぎる破壊力を持っていました。ある意味、キルアが魅力的すぎたことが、ゴンの評価を相対的に下げてしまった、とも言えるのかもしれませんね。
結論:ゴンは「失敗作」ではなく、冨樫先生が生んだ「極端な主人公像」だった
ここまでゴンの問題点を散々挙げてきましたが、結論として俺が言いたいのは、ゴンは決して失敗した主人公ではない、ということです。
彼のキャラクターは、冨樫義博という天才が仕掛けた、少年漫画の主人公像を根本から問い直す壮大な実験だったのではないでしょうか。
社会的なルールや常識に縛られない「純粋さ」は、時としてどれだけ危険で、残酷なものになりうるか。ゴンは、その生きた見本でした。彼の行動は、読者である我々に、自分たちの倫理観や価値観を突きつけ、深く考えさせるきっかけを与えてくれました。
その試みは、多くの読者の期待を裏切るという大きな代償を払いましたが、物語に前例のない深みと複雑さをもたらしたことも事実です。
現在、暗黒大陸編ではゴンは念が使えなくなり、物語の表舞台から姿を消しています。これも、一度リセットしてキャラクターを再構築するための期間なのかもしれません。
次にゴンが私たちの前に現れる時、彼はどんな成長を遂げているのか。あの壮絶な経験を経て、本当の意味で「主人公」になることができるのか。俺は、その日を心待ちにしています。
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