【呪術廻戦】夏油傑はなぜ闇堕ちしたのか?最強の親友が見た絶望の正体

『呪術廻戦』という作品には、数多くの魅力的なキャラクターが登場します。
その中でも、ひときわ異彩を放ち、多くのファンの心を掴んで離さないのが夏油傑でしょう。
かつては五条悟と並び立つ「最強」の呪術師でありながら、後に「最悪の呪詛師」へと堕ちた男。
彼の物語は、単なる善から悪への転落劇ではありません。
そこには、正しさを信じた人間が、どうしようもない現実に心をすり潰されていく、痛々しいまでの軌跡が刻まれています。
今回は、この夏油傑という男がなぜ非術師を「猿」と呼び、呪術師だけの楽園を夢見るようになったのか、その魅力と悲劇の本質に迫ってみたいと思います。
「俺達は最強」だった、あの眩しい日々
物語を遡ること十数年、高専時代の夏油傑は、今からは想像もつかないほど清廉な理想を掲げていました。
「呪術は非術師を守るためにある」
これが彼の揺るぎない信念でした。
当時、既に最強の片鱗を見せつけていた五条悟が、非術師への配慮を欠く言動を見せるたびに、夏油はそれを諭す役割を担っていました。
この二人の関係性がまた絶妙で、五条自身も夏油のその考えを「理想論だ」と笑いながらも、心のどこかで彼を「善悪の指針」として頼りにしていました。
「私達は最強なんだ」と笑い合う二人の姿は、まさに青春そのもの。
この頃の彼を知る読者からすれば、後の彼の姿は信じがたいものだったに違いありません。
この輝かしい過去があるからこそ、彼の転落劇はより一層、我々の胸に深く突き刺さるわけです。
魂が摩耗する音―信念が崩壊した三つのターニングポイント
人の信念というものは、案外もろいものなのかもしれません。
特に、夏油のように真面目で、物事を深く考え込んでしまう人間ほど、その脆さは顕著に現れます。
彼の心が壊れていく過程には、大きく分けて三つの決定的な出来事があったと俺は考えています。
第一の亀裂:星漿体任務の失敗
天元の依代となる少女、天内理子の護衛任務。
これは夏油と五条にとって、自分たちの「最強」を揺るがされる最初の経験でした。
結果として、伏黒甚爾というイレギュラーの介入によって任務は失敗。理子は殺害されてしまいます。
しかし、夏油の心を抉ったのは、任務の失敗そのものだけではありませんでした。
理子の死を、まるで祝福するかのように拍手で迎える非術師の集団「盤星教」の信者たち。
命を懸けて守ろうとした存在の死を喜ぶ「守るべき弱者」の姿は、彼の信念に最初の、そして致命的な亀裂を入れました。
この光景を見てしまった夏油の脳裏に、「こいつらを守る価値はあるのか?」という疑念が芽生えたのは、想像に難くありません。
第二の揺らぎ:後輩の死と終わらない「マラソン」
亀裂の入った心に、現実は容赦なく追い打ちをかけます。
彼を慕っていた後輩、灰原雄の理不尽な死。
そして、呪霊を祓い、取り込み続ける終わりのない日々。
夏油は、呪霊を取り込む際の味を「吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしているような味」と表現しています。
この、肉体的にも精神的にも苦痛な行為を、彼は誰のために続けているのか。
非術師から漏れ出す呪いを、非術師のために拭い続ける。
それはまるで、ゴールの見えないマラソンのようだったのではないでしょうか。
そんな疲弊しきった彼の前に現れた特級術師・九十九由基が提示した「非術師が消えれば呪霊も生まれない」という選択肢は、悪魔の囁きであると同時に、彼にとっての一筋の光明に見えてしまったのかもしれません。
最後の引き金:猿たちの醜悪な本性
そして、運命の日が訪れます。
とある村へ単独任務に赴いた夏油が目にしたのは、呪力を持っていたがために、村人から虐待され、監禁されている二人の幼い少女の姿でした。
自分たちの理解できないものを恐れ、全ての責任を押し付け、寄ってたかって無力な子供を罵倒する大人たち。
その姿は、夏油にとって「守るべき弱者」ではなく、ただの醜い「猿」にしか見えませんでした。
「猿の時代に幕を下ろし 呪術師の楽園を築こう」
この瞬間、彼の心は完全に壊れ、そして「再構築」されたのです。
守るべき対象は「非術師」から「呪術師」へ。彼の正義は180度反転しました。
その夜、彼は村人112名を皆殺しにし、自らの両親すらその手にかけて、呪術高専から姿を消したのです。
歪んだ大義と、心の底から笑えなかった男
夏油傑の行動は、紛れもなく大量虐殺であり、許されるものではありません。
しかし、彼を単なる「悪」と断じて思考停止するのは、あまりにもったいない。
彼の掲げた「呪術師だけの世界」という目標は、彼なりの大義であり、歪んだ救済でした。
事実、彼の元に集った呪詛師たちからは厚く慕われており、そのカリスマ性は本物。
特に、あの村から救い出した美々子と菜々子にとっては、彼は命の恩人であり、唯一の家族でした。
『呪術廻戦0』の最後、五条との対峙で彼が遺した言葉が、その本質を物語っています。
「ただこの世界では、私は心の底から笑えなかった」
この一言に、彼の苦悩と孤独のすべてが詰まっているように感じます。
彼は、ただ真面目すぎただけなのかもしれません。世界の醜悪さに耐えきれず、自分だけの楽園を夢想することでしか、心を保てなかった悲しい男。それが夏油傑というキャラクターの核心ではないでしょうか。
死してなお続く悲劇―親友に利用される最悪の結末
一度は五条の手によってその生涯に幕を下ろした夏油。
しかし、彼の悲劇はそれでは終わりませんでした。
本編で再登場した彼の額には、無残な縫い目が。
その正体は、脳を入れ替えて肉体を乗っ取る術式を持つ、太古の術師でした。
そして、この最悪の事態を招いた一因が、親友である五条が彼の遺体を家入硝子に処理させなかったことにあるというのですから、皮肉としか言いようがありません。
かつての親友の姿で現れ、動揺した五条を獄門疆に封印する。
これほどまでに残酷なシナリオがあるでしょうか。
公式ファンブックによれば、乗っ取られた後の彼の肉体は「首がもげたトンボ程度」で、そこに夏油本人の意思は一切ないとのこと。
死してなお尊厳を奪われ、最強の親友を陥れるための道具として利用され続ける。
彼の物語は、どこまでも救いがありません。
その徹底した非情さこそが、『呪術廻戦』という作品の魅力であり、我々を惹きつけてやまない理由なのかもしれませんね。
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