Re:ゼロ スバルへの賛否を本音で整理

で、本音のところ、どうなの? 『Re:ゼロから始める異世界生活』の主人公ナツキ・スバル、検索すると「嫌い」「うざい」と「大好き」の声が真っ二つです。正直に言うと、この賛否はどっちの言い分も筋が通っています。貶めも持ち上げもせず、本音で整理していきます。

【ネタバレ注意】本記事にはナツキ・スバルの性格や物語序盤〜中盤の展開に関するネタバレが含まれます。

なぜスバルは「嫌い」「うざい」と言われるのか

まず反対側の言い分から、逃げずに見ていきます。ぶっちゃけ、ここを飛ばすと公平な記事になりません。

スバルは異世界に召喚されたばかりの頃、態度が大きい場面が目立ちます。初対面の相手にいきなりタメ口で接したり、空気を読まずに自分の都合で動いたり。これが「うざい」と感じられる第一の理由です。

ターニングポイントとしてよく挙げられるのが、アニメ第1期13話「自称騎士ナツキ・スバル」の回。エミリアから控えめに待つよう頼まれていたのに、その約束を破って王選の重要な場で激高し、身分もないまま「エミリアの一の騎士だ」と勝手に宣言してしまう。ここで視聴者の「うざい」感情がピークに達した、という指摘は多くのレビューで共通しています。

嫌われる理由を整理すると、おおよそ次の3点に集約されます。

1つ目は、上から目線に見える言動と空回りの多さ。2つ目は、感情的になって周囲に怒りをぶつける場面が序盤に集中していること。3つ目は、ヒロインたちが彼に好意を寄せる理由が分かりにくく、感情移入できないという声です。

特にレムやエミリアといったヒロインがスバルに惹かれていく過程は、序盤だけ見ていると唐突に映る。そこに乗れない読者が「なぜモテるのか分からない」と引っかかるのは、ごく自然な感覚です。

気持ちは分かります。序盤だけ切り取れば、確かに擁護しづらい主人公なんです。だから「嫌い」という感想を頭ごなしに否定するのは、それこそ不誠実だと思っています。

じゃあ、なぜ一方でこんなに愛されるのか

ここからが賛成側の言い分です。スバルを「好き」と言う読者は、彼の弱さそのものを評価しています。

スバルは「死に戻り」という能力を持っています。死ぬたびに過去の特定時点へ戻る力です。ただし作者の長月達平さんは、この力を「主人公を強くするもの」としては描かなかった。当初は強さの装置にする構想だったものを途中で改め、死に戻りを通してスバルを精神的に成長させる方向へ舵を切ったと語られています。

つまりスバルは、最初からカッコいい主人公として設計されていない。むしろ「等身大の情けなさ」を抱えたまま、何度も死んで、何度も心を折られながら、それでも立ち上がる過程を見せるキャラなんです。

わかる、あれはね、序盤のうざさは「成長前の伏線」として置かれているんですよ。彼の痛々しい言動は、後の変化を際立たせるための助走になっている。

実際、評価は物語が進むにつれて反転していきます。第1期も18話以降になると、スバルは自分の弱さと正面から向き合い、別人のように頼れる人物へと変わっていく。「序盤で嫌いになったのに、気づいたら一番応援していた」という感想が多いのは、この落差があるからです。

もう一つ、長月さんの設計が効いているのは「読者に痛みを共有させる」点です。スバルが死に戻りで味わう絶望は、読んでいる側にもそのまま伝わってくる。だから彼が一歩前へ進んだとき、こちらまで救われた気持ちになる。この巻き込み方こそが、賛成側がスバルを推す最大の理由だと思います。

結局、批判はどこまで妥当なのか

では、賛否のどちらが正しいのか。正直に言うと、これは「どちらも正しい」という地点に落ち着きます。

「うざい」という感想は、序盤のスバルを見れば自然な反応です。それを否定する必要はありません。むしろ、ネット上には「主人公をあそこまでうざく描ける作者は逆にすごい」という声すらある。読者にしっかり苛立ちを感じさせること自体が、計算された演出だったとも読めるわけです。

一方で「最後まで嫌い」と切り捨ててしまうと、この作品が一番見せたかった部分を取りこぼします。スバルの価値は、完成された強さではなく「変わっていく過程」にあるからです。

強いて線引きをするなら、「序盤のスバルがうざい」は妥当、「だから作品ごと駄目だ」は早計、というあたりが落としどころでしょう。前者はキャラ描写への正直な反応で、後者は構成の意図を見落とした評価だからです。

賛否が割れること自体が、このキャラが平坦に作られていない証拠とも言えます。気持ちは分かる、どちらの側も。だからこそ面白い議論になるんです。

本音のところ、筆者はこう見ている

個人的な見解を率直に言います。スバルの序盤を「うざい」と感じた人は、感性が鈍いわけでもアンチでもありません。その反応こそ、作品が狙った入口だと思っています。

筆者自身、最初に13話あたりを見たときは「うわ、これは擁護しづらいぞ」と手が止まりました。でも見続けるうちに、彼の空回りが少しずつ自分の弱さと重なってきて、気づけば一番感情移入していたんです。

大事なのは、序盤の印象だけで結論を出さないこと。スバルというキャラは、点ではなく線で見たときに初めて意味がつながります。とはいえ、どこで好きになるか、あるいは最後まで肌に合わないかは、読者それぞれの感じ方次第。そこに絶対的な正解はありません。

それでも、スバルが愛される理由

でもね、これがあるからリゼロは面白いんです。完璧じゃない主人公が、何度も無様に転びながら前へ進む。その不格好さに、自分の弱さを重ねられる。賛否がこれだけ熱く割れるのは、スバルが「他人事じゃない主人公」だから。嫌いと言われるほど人の心を動かせる主人公は、そう多くいません。賛否の両方を抱えたまま応援したくなる、それがナツキ・スバルの強さです。


辛口に整理しているつもりが、結局スバルを庇う方向に筆が走ってしまいました。困ったことに、書きながら「次はレムの献身、その次はエミリアの王選の賛否も整理したい」とネタが連鎖して止まりません。これ、放っておくと同じ作品で何本も書いてしまうやつです。

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