放出系はハズレ?そう言われる理由|ハンターハンター

で、本音のところ、どうなの? ハンターハンターの念で「放出系はハズレ」という声、ずっと根強いですよね。わかる、あれはね…使い手の見せ場が少なくて地味に見えるんです。でも正直に言うと、ハズレ扱いは半分イメージ先行だと思っています。

【ネタバレ注意】本記事には『HUNTER×HUNTER』天空闘技場編から会長選挙編までのネタバレ(念能力の詳細を含む)が含まれます。

なぜ放出系は「ハズレ」と言われるのか?

前提をひとつだけ。放出系は、オーラを体から離して飛ばすのが得意な系統です。六性図では強化系と操作系のあいだに置かれています。

そのうえで「ハズレ」と言われる理由は、大きく3つあると思っています。

理由1:ヒソカの性格分析の印象が強すぎる

天空闘技場でゴンと戦った際に、ヒソカが系統ごとの性格分析を語る場面があります。そこで放出系は「短気で大雑把」とされました。

この試合が収録されているのは単行本7巻。集英社公式サイトの『HUNTER×HUNTER』7巻ページでも、ヒソカが出した「200階クラスでの1勝」という条件にゴンが挑む巻として紹介されています。

あくまでヒソカ個人の見立てで、作中のルールではありません。それでも言葉のインパクトが強く、「放出系=雑な系統」というイメージが広まった面はあるはずです。

理由2:主人公側に「放出系の主役」がいない

ゴンは強化系、キルアは変化系、クラピカは具現化系。主人公4人のうち、放出系はレオリオだけです。

そのレオリオも、念で目立つ見せ場は多くありません。物語の中心で放出系が暴れる場面が少ないので、系統そのものの格まで低く見積もられがちなんですよね。

理由3:「念弾を飛ばすだけ」に見えてしまう

具現化系や特質系には、細かいルールで相手を縛る凝った能力が目立つ印象があります。それに比べると、放出系の代表的な技である念弾は仕組みがシンプルです。

読者の目線だと「頭脳戦の余地が少ない系統」に映ってしまう。気持ちは分かります。

じゃあ放出系の使い手は本当に弱いの?

ここは声を大にして言いたい。作中の放出系能力者、かなり強いです。

レイザー:ゴンたちを追い詰めたゲームマスター

グリードアイランド編のレイザーは、ゲームマスターのひとり。手のひらからオーラの念弾を放ち、「14人の悪魔」と呼ばれる人形のような姿の念獣を操ります。

「一坪の海岸線」をかけたドッジボール対決は最終的にゴンたちが勝ちましたが、試合中のレイザーはゴンたちに実力差を突きつけ続けました。終盤戦が収録された集英社公式サイトの17巻ページでも、「力の差を見せつけ、容赦ない攻撃を繰り出す」相手として紹介されているほどです。

しかも作中では、プレイヤーが使う移動系の呪文(スペル)や、不正な侵入者の排除といったゲーム内の仕組みも担っているとされます。一人の放出系能力者が、ゲームの根幹を支えているわけです。

フランクリン:旅団の火力担当

幻影旅団のフランクリンは「俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)」の使い手。両手の指先から念弾を連射します。

ヨークシンシティの地下競売の会場では、集まったマフィアたちをこの能力で壊滅させました。シンプルな能力でも、使い手しだいでここまでの破壊力になる見本です。

レオリオ:離れた相手に拳を届かせた

会長選挙編のレオリオは、近くの机を殴り壊した瞬間、離れた場所にいるジンをオーラの拳で殴りつけました。

ジンの見立てでは、医者を目指して触診や打診を試行錯誤した末にたどり着いた能力。距離を無視して打撃を届かせる発想は、まさに放出系の持ち味です。

「ハズレ説」は今も通用するのか?

ぶっちゃけ、ハズレ説をいちばん揺さぶったのは、作品の外から出てきた情報でした。

2022年10月28日から2023年1月9日まで、森アーツセンターギャラリーで開催された「冨樫義博展 -PUZZLE-」。電撃オンラインの内覧会レポートによると、冨樫メモに基づいた念能力の設定資料が、撮影禁止の特別エリアで初公開されていました。

来場者や公式図録を確認したファンの報告では、この資料でメルエム、ゼノ、シルバが放出系に分類されていたと伝えられています。ゼノまで放出系に分類されていたことは、ファンの間で話題になりました。

もちろん、作中で明言されたわけではありません。いつ書かれたメモなのかも分からないので、決定打とまでは言えない。

それでも、キメラアントの王やゾルディック家の実力者が同じ系統に並ぶ可能性があるだけで、「ハズレ系統」という評価はかなり苦しくなります。

作中の描写だけに絞っても、ゲーム内の移動を担うレイザーや、離れた場所に拳を届かせたレオリオがいます。「離れた場所に作用させる」という放出系の性質は、使い方しだいで戦闘以外にも広がる余地があるわけです。

本音のところ

正直に言うと、放出系がハズレと言われる気持ちはよく分かります。主人公組での扱いを見れば、そう感じるのは自然です。

ただ、それは「系統が弱い」のではなく「見せ場の配分が少なかった」だけだと思っています。レイザーやフランクリンの場面を読み返すと、放出系の上限はむしろ高い。出番が少ないぶん、一人ひとりの能力が短い場面で濃く描かれているとも言えます。

そしてハンターハンターの念は、系統だけで強さが決まらない設計です。念弾という地味な技も、使い手の発想しだいで、ゲームを支える仕組みにも、マフィアを壊滅させる火力にもなる。

だから「放出系はハズレか?」への答えは、どこに注目するかで変わります。弱く見える材料と強さを示す材料、どちらを重く見るかは読んだ人それぞれでいいと思います。

それでも放出系が面白い理由

でもね、主役級の出番が少ないからこそ、放出系は「脇役が一瞬で格を見せる系統」になっているんです。

レイザーの念弾、フランクリンの連射、レオリオの一撃。どれも長い場面ではないのに、何年たっても語られています。

地味に見える系統にまで、ちゃんと化ける余地を用意してある。これがあるから、ハンターハンターの念能力は何度読み返しても面白いんだ。


書きながら「じゃあ放出系のワープってどこまでできるの?」と次のモヤモヤが湧いてきました。辛口に書くつもりが、結局レオリオの一撃を読み返してニヤけています。

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