【ハンターハンター】ネオン死亡説の真相…100%予知少女の悲惨すぎる末路

『HUNTER×HUNTER』という物語には、数多くの魅力的なキャラクターが登場します。

その中でも、ヨークシンシティ編で強烈なインパクトを残しながら、あまりにも悲しい運命を辿った少女がいました。

そう、ネオン=ノストラードです。

100%的中する予知能力で富と名声を手に入れたお嬢様が、一転、能力を奪われ、ついには死亡説まで浮上する。

彼女の人生、あまりにもジェットコースターすぎませんかね?

今回は、このネオンという少女の光と影、そして多くのファンが心を痛めた「死亡説」の真相に、ネットの考察も交えながら深く切り込んでいきたいと思います。

無邪気な箱入り娘と、グロテスクな趣味のアンバランスさ

まず、ネオンがどんなキャラクターだったか、おさらいしておきましょう。

マフィア組織「ノストラードファミリー」の組長の一人娘として、何不自由なく育てられた彼女。

1999年版アニメではピンク、2011年版ではブルーのロングヘアが印象的な、いかにも「お嬢様」な外見です。

その性格は、父親に甘やかされて育ったがゆえの、究極のわがまま

オークションの商品が手に入らないと分かれば駄々をこね、人の死に対しても「ふーん」と軽薄な反応を示す。

この時点では「ただの嫌な金持ちの娘か…」と思った読者も少なくないはずです。

趣味は「人体収集」というヤバさ

彼女のキャラクターを一層複雑にしているのが、その特異な趣味。

なんと「人体収集」です。

有名女優の毛髪やミイラならまだしも、「奇病患者の患部」までコレクションの対象にするというから、その倫理観は常軌を逸しています。

しかし、そんな彼女にも世話役のエリザを気遣うなど、人間らしい優しさが見え隠れする。

この可愛らしい外見とグロテスクな内面のアンバランスさこそが、ネオン=ノストラードというキャラクターの根幹をなしているのかもしれません。

チート能力「天使の自動筆記(ラブリーゴーストライター)」の正体

ネオンを単なるお嬢様で終わらせなかったのが、彼女の持つ特質系の念能力「天使の自動筆記」です。

ハッキリ言って、これは作中でもトップクラスのチート能力でしょう。

  • 占いたい相手の名前、生年月日、血液型を直筆で書いてもらう。
  • ネオンの意識とは無関係に、念獣が自動で予言詩を書き上げる。
  • 予言は4行1組の詩形式で、最大1ヶ月先までを予知。
  • そして何より、的中率は100%

この能力のおかげで、ノストラードファミリーはマフィア社会でのし上がり、莫大な富を築きました。

しかし、ここにも悲劇の種は蒔かれていたのです。

父親のライトにとって、娘は愛する家族であると同時に「金儲けの道具」。

そしてネオン自身は、自分の能力の価値も、書かれた予言の内容も一切気にしない。

「自分の未来は占えない」「予言の結果を見ない」という無意識の制約が100%の的中率を生み出していましたが、それは皮肉にも、彼女自身を襲う最悪の未来から目を背けることにも繋がっていたのです。

すべてを奪った男、クロロ=ルシルフル

彼女の運命が暗転するきっかけ、それは幻影旅団の団長、クロロ=ルシルフルとの出会いでした。

ホテルを抜け出し、ヨークシンの街を散策していたネオンの前に、ごく自然に現れたクロロ。

彼はネオンの好奇心や承認欲求を巧みに利用し、占いの話に持ち込みます。

そして、クロロの能力「スキルハンター(盗賊の極意)」を発動させるための4つの条件を、わずか1時間足らずでクリアしてしまうのです。

  1. 相手の念能力を実際に見る。
  2. 能力について質問し、相手が答える。
  3. 本の表紙の手形と相手の手のひらを合わせる。
  4. これらを1時間以内に行う。

手刀で気絶させられ、手のひらを合わせられた瞬間、ネオンの全てだった「天使の自動筆記」は、永遠に失われました

あまりにもあっけない幕切れ。彼女はこの時、自分が何を失ったのか、まだ知る由もありませんでした。

【本題】ネオン死亡説と377話の衝撃

さて、ここからが本題であり、少しゲスい話になります。

能力を失ったネオンは、その後どうなったのか。

長らく本編では描かれていませんでしたが、2018年に掲載された377話「画策」で、その答えが衝撃的な形で示唆されました。

暗黒大陸へ向かう船内で、クロロが自身の「盗賊の極意」の本を開くシーン。

そこに、かつて奪ったはずの「天使の自動筆記」のページが存在しないことが判明したのです。

クロロはこう呟きます。

「いつの間にか消えていた」

この発言に対し、シズクが「団長のノートってデスノートみたいですね」と続ける。

もうお分かりですね。「スキルハンター」のルールの一つに、「盗んだ能力の元の持ち主が死亡すると、その能力は本から消えて使えなくなる」というものがあります。

つまり、ネオンの能力が消えたということは、彼女が死亡したことをほぼ確定的に意味するのです。

この事実は、多くのファンに衝撃を与えました。

誰がネオンを殺したのか?最有力は「父親殺害説」

では、一体誰が彼女を殺したのか?ネット上で最も有力視されているのが、父親であるライト=ノストラードによる殺害説です。

能力を失い、「金儲けの道具」としての価値を失った娘に絶望した父親が、精神的に追い詰められた末に手を下した…というもの。

この説の根拠として挙げられるのが、先ほどのシズクの「デスノート」発言です。

『DEATH NOTE』の主人公の名前は「夜神月(やがみ ライト)」。

ネオンの父親の名前は「ライト=ノストラード」。

冨樫先生がこの偶然の一致を知らないはずがなく、これは父親が犯人であることを示唆する、強烈なメタファーではないか、と考察されています。考えすぎかもしれませんが、非常に説得力がありますよね。

他にも、

  • 生きる価値を見失った「自殺説」
  • 十老頭が壊滅した後のマフィア抗争に巻き込まれた「抗争説」
  • クロロの能力を封じるためにヒソカが暗殺した「ヒソカ犯人説」

など様々な説が議論されていますが、物語の因果応報という観点から見ても、富の源泉であった娘を、その富を失った原因として父親自らが葬るという展開は、あまりにも『ハンターハンター』らしい、やりきれない悲劇と言えるのではないでしょうか。

ネオンの死がもたらした、皮肉な結末

彼女の死(とされる出来事)は、しかし、別の物語を大きく動かしました。

ネオンという最大の収入源を失ったノストラードファミリーは崩壊の危機に瀕します。

しかし、若頭に就任したクラピカの卓越した手腕により、組織は大変革を遂げたのです。

占いに依存した危うい経営から脱却し、用心棒業や合法的な事業へと転換。完全にクリーンな組織として生まれ変わりました。

娘を失った(あるいは殺してしまった)ライトは廃人同然となり、組織の実権は完全にクラピカが掌握。

結果として、ネオンの悲劇は、クラピカが「緋の眼」を回収するための安定した活動基盤を築くことに繋がったのです。

これはあまりにも皮肉な話だと思いませんか。

一人の少女の幸福と才能を犠牲にして、主人公の物語が進んでいく。この世界の非情さと複雑さを、ネオンの物語は我々に突きつけてきます。

まとめ:忘れられた予言少女が問いかけるもの

ネオン=ノストラードは、最強クラスの能力を持ちながら、それを自覚することなく、他人に運命を翻弄され、静かに消えていったキャラクターです。

彼女の物語は、単なるサブキャラクターの悲劇に留まりません。

才能とは何か、幸福とは何か。そして、人が人を「道具」として見た時、どんな結末が待っているのか。

わがままで、倫理観が欠如していて、決して聖人君子ではなかった彼女。しかし、その劇的な人生と悲惨な末路は、多くの読者の心に深く刻み込まれています。

連載が再開された時、彼女の死の真相が明確に語られる日は来るのでしょうか。

今はただ、ヨークシンの夜空の下で無邪気にオークションを夢見ていた少女が、せめて安らかに眠っていることを祈るばかりです。

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