【ナルト考察】うちはサスケという、ライバルにしてダークヒーロー。その孤独と愛憎

『NARUTO』という巨大な物語を語る上で、主人公うずまきナルトと双璧をなす存在、うちはサスケ。
彼の名前を聞けば、多くの人が様々な感情を抱くはずです。
「クールでカッコいい」「天才忍者」、あるいは「また里抜けたのか」「サスケェ!」という愛憎入り混じったツッコミまで。
彼は単なるライバルキャラクターではありません。
ナルトが光なら、サスケは影。物語のもう一人の主人公であり、彼の選択が常に物語を大きく揺り動かしてきました。
今回は、なぜ俺たちがこれほどまでにうちはサスケという男に惹きつけられ、ヤキモキし、そして最後には彼の幸せを願ってしまうのか、その魅力の本質に迫ってみたいと思います。
クール系エリートの仮面の下に隠された、不器用すぎる愛情
物語の序盤、サスケは絵に描いたようなエリートでした。
アカデミーを首席で卒業し、整った顔立ちで女子からの人気は絶大。そして何より、うちは一族の生き残りというミステリアスな背景。
ナルトが「落ちこぼれ」の烙印を押されていたのとは対照的に、彼は常に「天才」として周囲から一目置かれていました。
しかし、そのクールな態度の裏側は、復讐というたった一つの目的のためにすべてを捧げる、危うい少年そのもの。
彼は、兄うちはイタチによって一族を皆殺しにされたトラウマから、他人との深い繋がりを極端に恐れていました。
第七班の仲間であるナルトやサクラに対しても、最初は突き放すような態度を取ります。
ですが、物語が進むにつれて、その仮面は少しずつ剥がれていきます。
波の国での白との戦いで、咄嗟にナルトを庇って自らが盾になるシーンを覚えているでしょうか。
「…なぜだか体が…勝手に…」
このセリフこそ、彼の本質を物語っています。
頭では繋がりを拒絶しようとしても、彼の心と体は仲間を、家族のように感じ始めていたのです。
彼の行動原理は、実は誰よりも「愛情」に根差しています。家族への愛、そしてそれを奪った兄への憎しみ。この強すぎる愛こそが、彼を強くし、同時に危うい道へと誘うことになるのです。
闇堕ちの連鎖 ― なぜ彼は光を拒絶したのか
引き裂かれた希望と「イタチの真実」
サスケの物語を語る上で避けられないのが、彼の「闇堕ち」です。
その決定的なターニングポイントは、木ノ葉で再会した兄イタチに完膚なきまでに叩きのめされた瞬間でした。
仲間と共に少しずつ強くなっている実感、未来への微かな希望。それらが、兄の圧倒的な力の前に脆くも崩れ去ります。
月読によって精神を破壊され、彼は悟ってしまうのです。
「この里にいては、この光の中にいては、兄には届かない」と。
ここからの彼の行動は、多くの読者をヤキモキさせました。サクラの必死の説得を振り切り、ナルトとの絆を断ち切ってまで、彼は力を求めて大蛇丸の元へ走ります。
しかし、終末の谷での決闘で、彼はナルトに致命傷を負わせながらも、とどめを刺しませんでした。
イタチが告げた万華鏡写輪眼の開眼条件、「最も親しい友を殺すこと」。
それを実行せず、「オレはオレのやり方で力をつける」と告げたのは、兄への反抗心であると同時に、ナルトとの繋がりを完全に断ち切ることへの最後の抵抗だったのかもしれません。
そして、物語は彼に更なる地獄を見せつけます。
憎しみのすべてをぶつけ、ついに兄イタチを討ち果たしたサスケ。しかし、彼を待っていたのは「イタチの真実」という、あまりにも残酷な現実でした。
愛する兄は、里の平和のため、そして何より弟であるサスケを守るために、すべての汚名を被って一族を手にかけた悲劇の英雄だった。
復讐の対象が、実は自分を最も愛してくれた存在だったと知った時、彼の心は完全に壊れます。
憎しみの矛先は個人から「兄にそんな仕打ちをした木ノ葉の里」というシステムそのものへと向けられました。ここからの彼は、もはや単なる復讐者ではありません。
兄が守ろうとした世界を破壊することで、兄の犠牲を無意味にしない。そんな歪んだ、しかし彼にとっては唯一の正義を掲げた狂気のテロリストへと変貌していくのです。
五影会談を襲撃し、香燐ごとダンゾウを貫いた時のあの目は、純粋な愛が憎悪に反転した者の末路を雄弁に物語っていました。
孤独な革命家へ ― サスケが描いた「火影」の形
第四次忍界大戦。誰もが敵だと思っていたサスケが、突如として戦場に現れます。
「オレは戦場に行く。この里を……イタチを……無にはさせん!!」
穢土転生されたイタチとの再会、そして歴代火影との対話を経て、彼は新たな答えに辿り着きました。
里とは何か、忍とは何か。そして、兄が本当に守りたかったものは何だったのか。
すべてを理解した上で彼が下した決断は、「火影になる」そして「革命を起こす」ことでした。
一見すると突拍子もない宣言ですが、彼の理論は一貫しています。
この忍の世界は、常に誰かの犠牲の上に成り立っている。兄イタチのように。ならば、そのシステム自体を破壊し、自分が世界の憎しみをすべて引き受ける「絶対悪」となることで、世界を一つにまとめ上げる。
これは、かつて兄が一人で背負った生き様を、今度は自分が世界規模でやろうとする、あまりにも壮大で孤独な計画でした。
どこまでも兄を追いかけるその姿は、もはや「ブラコン」という言葉すら生ぬるく感じるほどです。
ナルトとの最後の戦いは、単なるライバル対決ではありません。
「皆で手を取り合って平和を目指す」というナルトの火影道と、「孤独な闇の支配者として平和を強制する」というサスケの火影道。
二つの正義がぶつかり合った、必然の決闘だったのです。
不器用な男が、やっと見つけた「繋がり」
利き腕を失い、血の海に倒れながら、サスケは初めてナルトに「負け」を認めます。
それは力の優劣ではなく、心の在り方の敗北でした。
ずっと羨ましかった、と。自分にはない強さを持つナルトが、いつも自分の前を歩いていた、と。
ここで彼はようやく、自分が心の底ではずっとナルトとの繋がりを、第七班という居場所を求めていたことを受け入れます。
彼の旅路は、失われた愛を取り戻すための、あまりにも遠回りで不器用な物語だったのかもしれません。
大戦後、彼は贖罪の旅に出ます。失った左腕の義手をあえて着けないのは、犯した罪を決して忘れないという彼の決意の表れでしょう。
そして『BORUTO』の時代。彼は「パパスケ」として、娘のサラダや弟子であるボルトと、これまた不器用な関係を築いています。
しかし、その不器用さこそが、うちはサスケという人間の本質であり、魅力なのです。
彼はこれからも、光の世界を歩むナルトを影から支える「支えの火影」として、忍びの世界を守り続けるでしょう。
クールで、純粋で、愛情深くて、そして死ぬほど不器用。
そんな複雑な魅力を持つ彼だからこそ、俺たちはつい「サスケェ!」と叫びながら、その一挙手一投足を見守ってしまうのではないでしょうか。
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