【ドラゴンボール】マイはなぜかわいい?ピラフ一味から未来のヒロインへ、その魅力と41歳問題

ドラゴンボールという巨大な物語の中で、これほど劇的な変貌を遂げたキャラクターがいるでしょうか。

そう、ピラフ一味の紅一点、「マイ」です。

初期の記憶しかない人からすれば、「え、あの残念な美人?」「トランクスと…?なんで?」と混乱するのも無理はありません。

しかし、今や彼女は「ドラゴンボール超」における最重要ヒロインの一人。

今回は、ただのギャグキャラの手下だったマイが、なぜ未来を背負うヒロインとなり、多くのファンから「かわいい」と支持されるに至ったのか。

その軌跡と、誰もが一度はツッコんだであろう「年齢問題」の核心に迫っていこうと思います。

全ての始まりは「残念な美人」だった

まず、俺たちの記憶の旅を、遥か昔の無印ドラゴンボール時代から始めましょう。

原作2巻、アニメでは記念すべき第1話から登場したマイは、ピラフ大王、シュウと共に世界征服を企む、いわば初期の敵幹部でした。

軍服に身を包んだ長身の黒髪美女。赤いアイシャドウと口紅が印象的な、クールでミステリアスな雰囲気。

…と、見た目だけなら完璧な悪の女幹部です。

しかし、ご存知の通り、その実態は「残念な美人」。

作戦はことごとく失敗し、ブルマの「パンティーみせちゃうわよん」作戦にあっさり引っかかるなど、小学生レベルの下ネタに弱いという弱点まで完備。

この「見た目はクール、中身はポンコツ」というギャップが、当時の彼女の唯一無二の魅力だったと言えるでしょう。

まさかこのコメディリリーフが、数十年後、未来のトランクスの心を射止めるとは、当時の誰も予想できなかったはずです。

転換点『神と神』- まさかの若返りと運命の出会い

マイの運命が大きく動き出したのは、2013年公開の映画『ドラゴンボールZ 神と神』でした。

ここで、とんでもない後付け…いや、画期的な設定が追加されます。

それは、「ピラフ一味がドラゴンボールの願いで若返り、子供の姿になっていた」というもの。

なんと、この時点でマイの精神年齢は41歳。それが子供の姿になって、ブルマの誕生日パーティーに忍び込んでいたわけです。

そして、このパーティーで運命の出会いが訪れます。

そう、ブルマとベジータの息子、トランクスとの遭遇です。

子供の姿になったマイに、トランクスは一目惚れ。「ボクのガールフレンドにならない?」とアプローチします。

この瞬間、「トラマイ」という、ドラゴンボール史に残るカップリングが誕生したのです。

ファンの間ではこの子供姿のマイを親しみを込めて「ロリマイ」と呼ぶ風潮も生まれ、彼女のキャラクター性が新たなステージに突入したことを示していました。

ヒロイン爆誕『ドラゴンボール超』- 現代と未来、二人のマイ

映画での布石を経て、TVシリーズ『ドラゴンボール超』でマイはついに本格的なヒロインへと昇格します。

しかも、物語は「現代」と「未来」の二つの時間軸で、それぞれ異なる魅力を持つマイを描き出すという、非常に贅沢な展開を見せました。

現代マイ:ブルマ公認のガールフレンド候補

現代のマイは、ピラフ一味共々カプセルコーポレーションに居候する身。

トランクスとは、ブルマの監視のもと(?)家庭教師の授業を一緒に受けるなど、甘酸っぱい関係を育んでいきます。

意外なことにプログラミングスキルが非常に高く、ブルマを感心させるほどの技術力も披露。

ただの居候ではなく、しっかりと自分の居場所を築いているあたり、彼女の芯の強さがうかがえますね。

トランクスに「ガールフレンド」と紹介されて赤面する姿は、かつてのポンコツ悪役の面影は微塵もありません。

未来マイ:絶望の世界で戦うレジスタンスの指導者

そして、マイのヒロインとしての評価を決定づけたのが「未来トランクス編」です。

ゴクウブラックによって荒廃した未来の世界で、彼女は人類抵抗軍(レジスタンス)のリーダーとして戦っていました。

化粧を落とし、ニット帽とコートに身を包み、ショットガンを構えるその姿は、もはや「戦士」。

かつての「残念な美人」要素は完全に消え失せ、気高さと不屈の闘志に満ちた、まさに「戦うヒロイン」へと変貌を遂げていました。

未来トランクスを支え、共に戦い、時には彼の心の拠り所となる。この未来マイの存在こそが、彼女を単なる恋愛対象から、物語の核を担う重要人物へと押し上げたのです。

結局、マイの「かわいい」って何なんだ?魅力を解剖する

さて、ここまでの変遷を踏まえて、ファンがマイを「かわいい」と感じる理由を深掘りしていきましょう。

これは単に見た目がどうこう、という話ではありません。

ツンデレとギャップ萌えの究極体

マイの魅力の根源は、やはりギャップにあります。

初期の「クールビューティーなのにポンコツ」というギャップから始まり、『超』では「しっかり者に見えて恋愛にはウブ」という新たなギャップが追加されました。

「投げキッス程度のことも恥ずかしがる」

こんな純真な一面を見せられたら、誰だって心を掴まれます。

特に未来マイは、普段は気丈なリーダーでありながら、トランクスの前でだけ見せる弱さや愛情表現が、たまらなく愛おしいのです。

健気さと一途な愛

トランクスへの愛情は、まさに一途そのもの。

特に未来編での献身は涙なしには語れません。

絶望的な状況でも希望を捨てず、愛する人を信じ、支え続ける。瀕死のトランクスに仙豆を口移しで与えるシーンは、ドラゴンボールシリーズでも屈指の恋愛描写と言えるでしょう。

「やっぱりアンタが一番好きだわ」

このストレートな告白に、心を撃ち抜かれたファンは少なくないはずです。

守られるだけのか弱いヒロインではなく、共に銃を取って戦う。この強さこそが、現代のファンが求めるヒロイン像と完璧に合致したのかもしれません。

【賛否両論】避けては通れない「41歳問題」について語ろうか

さて、ここからは少しゲスい話…というか、多くのファンが一度は疑問に思ったであろう「年齢問題」に切り込みます。

そう、「精神年齢41歳のマイと、肉体年齢10代前半のトランクスの恋愛ってどうなの?」問題です。

まず大前提として、無印時代に登場した時のマイの外見は、どう見ても20代です。これが後に41歳から若返った、という設定になったため、時系列に若干の矛盾が生じているのは否めません。

…まあ、そこは「ドラゴンボールだから」の一言で片付けられるのが、この作品の偉大なところですが。

問題は、その精神年齢と恋愛対象の年齢差です。

これについては、正直なところ「野暮なツッコミ」というのが俺のスタンスです。

というのも、彼女は肉体と共に精神も若返っている、あるいは子供のトランクスと過ごす中で精神が同調していった、と解釈するのが自然ではないでしょうか。

何より、未来トランクス編では、過酷な世界を共に生き抜いてきた「戦友」としての絆が恋愛感情の根底にあります。

そこにあるのは、年齢という記号を超えた、魂レベルの結びつきです。

まあ、理屈をこね回すよりも、「公式が最大手」の精神で、この奇跡のカップリングを祝福するのが粋というものでしょう。

まとめ:雑魚キャラからヒロインへ、DB史上最大の下剋上

ピラフ一味のポンコツ部下から、未来を託されるメインヒロインへ。

マイの歩んできた道は、まさにドラゴンボール史上最大の下剋上ストーリーと言えます。

初期のギャグキャラとしての魅力、そして『超』で花開いた戦うヒロインとしての魅力。その両方を知ることで、彼女のキャラクターの奥深さがより一層理解できるはずです。

年齢設定など、いくつかのツッコミどころはありつつも、それすらも愛すべき個性として昇華させてしまうパワーが、マイとトランクスの関係にはあります。

初期の残念なマイも、現代のウブなマイも、未来の気高きマイも、すべてが彼女の魅力です。

さて、これを読んでいるあなたは、どの時代のマイが一番好きですか?

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